検索品質評価ガイドラインとは?E-E-A-Tの重要性や活用方法について解説
Googleの検索品質評価ガイドラインとは、Googleが自身の検索結果の品質を向上させるために、外部の評価者に評価してもらうための指針です。 検索品質評価ガイドラインで示されている内容を理解し、サイトの品質を高めれば、Googleからもよい評価を受けられます。 この記事では、Googleの検索品質評価ガイドラインの概要をはじめ、ガイドラインを活用してコンテンツコンテンツの品質を高める方法などを解説していきます。
Googleの検索品質評価ガイドラインとは
この章ではGoogleの検索品質評価ガイドラインとは何か、基礎的な情報を解説します。
検索結果の品質を評価するための評価指針
検索品質評価ガイドラインは「GeneralGuidelines」という題名で一般公開されており、年に数回程度内容が更新されています。 これは、Googleが採用した外部の品質評価者に検索結果の品質を評価してもらう際の評価指針をまとめたものです。 言い換えれば、Googleの検索結果がユーザーの満足できる品質になっているか、外部にチェックしてもらうためのチェックシートのようなものだといえます。
ウェブマスター向けガイドラインとよく混合されますが、ウェブマスター向けガイドラインはサイト運営者向けの資料、検索品質評価ガイドラインは外部の評価者向けの資料であり、内容も異なります。
検索品質評価ガイドラインとSEOの関係
もともと検索品質評価ガイドラインは一般公開はされておらず、評価者だけに配布される資料でしたが、「サイトの運営者にとっても有益な情報である」との見方などから、現在は一般公開されるようになっています。 つまり、検索品質評価ガイドラインに記載されている内容に基づいてコンテンツ制作をすることは、SEO対策として効果的だといえるでしょう。
ただし、検索品質評価ガイドラインはあくまでも評価者向けの資料です。そのため、SEOの効果を実感するためには、要点を理解し、うまくサイトに落とし込むことが求められます。
「GeneralGuidelines」の日本語版はある?
現在、一般公開されているのは英語版のPDFファイルのみです。(General Guidelines July 28, 2022) また、実際にPDFを開いてみるとページ数が167ページもあり、記載が全て英語なので英語に精通していない方が翻訳しながら読むのは難易度が高いといえます。 ちなみに、英語版のガイドラインを独自に日本語翻訳し公開しているサイトもあるので、そちらを活用してもよいでしょう。 (例:アイレップ株式会社「検索品質評価ガイドラインアイレップ私訳版」)
検索品質評価ガイドラインの概要
検索品質評価ガイドラインの評価項目は非常に多く、全てを読み込んでコンテンツに反映させようとするのは相当な労力がかかります。 ここでは検索品質評価ガイドラインの評価項目として特に重要な項目を3つ紹介します。主な概要は以下の通りです。
- E-E-A-T
- NeedsMet
- 使いやすさ
それぞれ具体的に解説していきます。
E-E-A-T
E-E-A-Tとは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字をとったものであり、Googleはこれらを兼ね備えているコンテンツは品質が高く、上位に表示させたいと考えています。 具体的にはコンテンツにおいて、以下のような性質を指します。
- Experience(経験):そのトピックに関する実体験や人生経験が含まれているか
- Expertise(専門性):コンテンツ作成者もしくは監修者がそのトピックに精通しているか
- Authoritativeness(権威性):他者や社会からよい評価を受けているか
- Trustworthiness(信頼性):信用のある人物(実際に体験した等)が作成したもしくは情報のあるか
特に、YMYL領域のジャンルではページ品質の評価基準が高く、なかでもE-E-A-Tの評価項目が重要視されています。 YMYLとは”YourMoneyYourLife”の略であり、お金や健康など人々の人生に大きな影響を与える可能性のあるジャンルのことです。
最近では、YMYLの領域も広がり、最新ニュースや時事問題、法律やショッピングなどに関わるコンテンツも重要視されていますが、一方で、2022年7月28日に改訂された検索品質評価ガイドラインの内容には、YMYLのトピックはごくわずかであり、ほとんどのトピックは危害を防ぐためのハイレベルな正確性や信頼性を必要としないとの記述があります。
また、YMYLか否かの判断は段階的であり、0か1というよりも緩やかに変化すると考えたほうがよいとの記述もあります。 そのため、コンテンツを作成する際は以下を参考にE-E-A-Tの重要度を吟味するとよいでしょう。
- 明らかにYMYLのトピックである
- 明らかにYMYLのトピックではない
- どちらかの間である
複数の評価者によって評価のばらつきが出ないよう、ガイドラインにて評価基準が明確に示されています。
NeedsMet
NeedsMetとはユーザーがあるキーワードで検索した際の検索結果が、どれだけユーザーの意図に合っていて、ユーザーを満足させられるかを評価するものです。 仮にページ品質が高くとも、ユーザーの検索ニーズに合っていないページであれば、NeedsMetしているとはいえません。 例えば「渋谷 居酒屋」で検索した際に、新宿や池袋の居酒屋情報が検索結果に表示されてしまっては、ユーザーの求めている情報を返せておらず、ニーズを満たしていいないことになります。 一方で、ユーザーのニーズに合ったページが検索結果に表示されたとしても、低品質なページであれば低い評価を受けやすくなります。
使いやすさ
ページに訪れたユーザーが、ページを使いやすいと感じるかという点も検索品質評価ガイドラインの重要な評価項目です。 特に、スマートフォンで使いやすいか(モバイルフレンドリー)とユーザーの目標達成を邪魔しないか(ユーザーエクスペリエンス)の2点が重要とされています。
表示速度が速いか、広告が多すぎないか、HTTPS(暗号化による接続の安全性が施されているサイト)化されているかなどが評価項目として挙げられます。
検索品質評価ガイドラインの活用方法
前述の通り、ガイドラインが求めている評価の高いコンテンツを作ることで、間接的にSEO評価はよくなります。 ここでは検索品質評価ガイドラインに記載のある評価項目をもとに、どのようなコンテンツを制作していけばよいのか解説していきます。
コンテンツのE-E-A-Tを高める
まずはコンテンツのE-E-A-Tを高める方法です。 E-E-A-Tの中でも特にコンテンツの専門性を高めるのが効果的です。
専門性とは、先述したように、コンテンツ作成者もしくは監修者がそのトピックに精通しているかという指標なので、医療や病気に関するコンテンツであれば、医者をはじめとした医療従事者、投資や資産形成に関するコンテンツであれば、ファイナンシャルプランナーや税理士といったように、テーマにおける専門性を保有した人物に記事の執筆や監修を依頼するのがよいでしょう。
また、品質の高いコンテンツは他者からの評判もよくなりやすいので、ページ自体が別のサイトで参照されたり、サイト名やコンテンツの監修者名が口コミで投稿されたりして、被リンクやサイテーション(引用)の獲得にもつながりやすくなります。 これにより、権威性や信頼性の向上も期待できるので、結果的にGoogleからの評価を得やすくなるでしょう。
検索意図に合ったコンテンツにする
2つ目はユーザーの検索意図に合ったコンテンツを作成する方法です。 そのためには、記事のタイトルやコンテンツの内容がユーザーニーズを捉えているか、慎重に吟味する必要があります。 例えば、「渋谷居酒屋」で検索した際に上位化しているページのタイトルが、「渋谷のおすすめ居酒屋15選!最新の口コミや評判も紹介」であった場合、ユーザーとしては、
- 渋谷のおすすめ居酒屋を15軒知れる
- 各居酒屋の詳細情報を知れる
- 各居酒屋の口コミや評判を見られる
上記のような情報が獲得できると期待するでしょう。
しかし、紹介されている渋谷の居酒屋が5軒しかなかったり、別エリアの居酒屋情報ばかりであったり、数年前の口コミしか記載されていなかったら、求めていた情報を獲得できたとはいえませんよね。
このように、検索しているユーザーが何を求めているかを理解し、それを満たしたコンテンツやタイトル作りができているサイトがGoogleからも評価されやすくなるでしょう。
ページエクスペリエンスを向上させる
ページエクスペリエンスとは、ユーザーにとってそのサイトやページが使いやすく便利であるかを測る指標です。 つまり、E-E-A-Tが高く、ユーザーの検索意図を押さえたページであっても、ページの利便性が低ければ、Googleからはマイナスの評価を受けることになります。 ページエクスペリエンスの指標はさまざまですが、特に重要なものは以下の通りです。
- モバイルフレンドリー
- CoreWebVitals(ページの読み込み時間やレイアウトのズレがないか)
- HTTPS(接続におけるセキュリティ)
- NoIntrusiveInterstitials(広告などユーザーの操作を阻害する要素がないか)
昨今、ページエクスペリエンスは、SEOにおけるページ評価の指標として重要度が高まっています。そのため、コンテンツの質を高めるのはもちろん、ユーザーが快適に感じられるページを作ることもSEO対策では欠かせません。
例えばページ内にある画像のファイルサイズを圧縮して、読み込み時間を短縮したり、PCやモバイルなどあらゆるデバイスからサイトにアクセスされても見やすいページに切り替える「レスポンシブWebデザイン」の実装などが効果的です。 これらの施策を実行することにより、ページエクスペリエンスが向上し、結果的に検索品質評価ガイドラインの評価基準を満たしたサイトに近づきます。
検索品質評価ガイドラインに記載されている評価項目は、この章で紹介したもの以外にも多くあります。しかし、主にこの3点を念頭に置いてコンテンツ作りをすればインパクトが大きいので、Googleから評価されやすくなるといえるでしょう。