構造化データはSEOに影響する?Googleの見解と実態

SEO担当者が苦手意識を持つことが多い、構造化データマークアップ。

「SEOには影響がないから……」と避けがちですが、本当にそうなのでしょうか。この記事では、構造化データがSEOに与える影響を掘り下げて解説していきます。

手間なく実装するためのコツも紹介しているので、“構造化データアレルギー”の治療にお役立てくださいね。

目次

構造化データとSEO対策の関係

まずは構造化データとSEO、その密接な関連性を解説します。

Googleの公式見解は?

構造化データがSEOにどのように影響するか、Googleの公式見解を探ると興味深い答えを見つけることができます。

  1. 検索結果の拡張
    Googleは、「構造化データを使用すると、検索結果ページにリッチスニペットやリッチカードなど、拡張された情報を表示することが可能」と説明しています。
  2. 検索ランキングへの影響
    一方で、「構造化データ自体は直接的に検索ランキングに影響を与えるわけではない」としています。しかし、リッチスニペットのような拡張機能は、CTR(クリックスルーレート)の向上に寄与する可能性があります。
  3. 正確な情報の提供
    構造化データは、ウェブページの内容をGoogleに正確に伝える手段としても使用されています。これにより、検索エンジンはユーザーのクエリに対する最も関連性の高い結果を提供することができます。

総じて、Googleは構造化データの導入をウェブマスターに推奨しています。構造化データを正しく利用することで、検索エンジンがウェブページの内容を理解しやすくなり、結果的にユーザー体験の向上に寄与するからです。

構造化データがSEOに与える具体的な影響

構造化データはウェブページの情報を整理・構造化するための手法として注目されていますが、具体的にSEOにどのような影響をもたらすのでしょうか。

影響の項目具体的な効果
検索結果の拡張構造化データを適切に使用すると、検索結果にリッチスニペットやリッチカードが表示され、そのページの情報が一目で伝わります。
検索エンジンの理解検索エンジンは構造化データを通じてページの内容を正確に把握することができ、関連性の高い検索結果の表示が期待できます。
CTRの向上リッチスニペットの導入により、ユーザーが検索結果からのクリックを行いやすくなるため、クリックスルーレートが向上することがあります。
競合との差別化構造化データを活用することで、競合他社との差別化が図れ、ブランドの認知度や信頼性の向上に繋がります。
SEOに与える具体的な影響

このように、構造化データの導入は、SEO対策の一環として有効であると言えます。しかし、誤った情報や不適切なマークアップは逆効果となることもあるため、注意深く導入を進めることが必要です。

SEO対策における構造化データの最適な利用方法

SEO対策を進める中で、構造化データの導入は重要な要素の一つとなっています。しかし、効果的に活用するためには、適切な運用の手順を知ることが必要です。

1)必要なデータタイプを選択
構造化データにはさまざまなデータタイプが存在します。適切なタイプを選択し、ページの内容に合わせてマークアップしましょう。

2)ツールを使用してマークアップ
Googleの構造化データテストツールなど、専用のツールを使用して正確にマークアップすることで、ミスを防ぎましょう。

3)不適切なマークアップを回避
誤った情報や不適切なタグの使用は、ペナルティの原因となることがあります。常に正確な情報を提供しましょう。

4)ページ更新時のマークアップ見直し
ウェブページの内容が更新された際には、構造化データのマークアップも見直すことが必要です。

5)構造化データの効果を定期的にチェック
導入後の効果を確認し、必要に応じてマークアップの見直しや修正を行いましょう。

構造化データの導入はSEO対策に良い影響を与えますが、適切な利用方法を知ることで、その効果を最大限に引き出すことができます。

SEO担当者が知っておくべき構造化データの種類

続いて、構造化データの種類に関しても、概要をご紹介します。

構造化データの基本的な種類とその役割

代表的な構造化データの種類と、それぞれの役割について見てみましょう。

種類役割
Person個人の情報を示すデータです。名前や職業、所属組織などを明示的に伝えることができます。
Product商品の詳細を示すデータです。価格やレビュー、商品の画像などを検索エンジンに伝えます。
Eventイベントに関する情報を示すデータです。開催日時や場所、イベントの概要を伝えることができます。
Organization組織や企業に関する情報を示すデータです。組織の名前やロゴ、所在地などを明示的に伝えることができます。
Recipe料理のレシピに関する情報を示すデータです。材料や調理手順、写真などを検索エンジンに伝えます。

上記は、構造化データの中でも特に一般的に使用される種類の一部です。

各種類に合わせた正確なマークアップを行うことで、狙った通りの効果を得ることができます。

@type「website」の特徴と活用方法

構造化データの中には、ウェブサイト全体の情報を示すための「website」というタイプも存在します。ここで、サイト制作の現場で基本となる「website」の特徴と、その活用について説明します。

項目詳細
定義ウェブサイト全体の概要や、そのサイトが持つ主要な情報を示すタイプです。
主なプロパティ「name」(ウェブサイトの名称)、「url」(ウェブサイトのURL)、「potentialAction」(ユーザーがサイトでできるアクション)などです。
活用目的サイト全体の基本情報を検索エンジンに伝え、サイトの認識度を高めるために使用されます。

「website」のタイプを使用する主なメリットは以下のとおりです。

  • 検索エンジンがサイト全体の情報を正確に理解しやすくなります。
  • 検索結果におけるサイトの表現が向上し、ユーザーのクリックを促進することが期待できます。
  • サイト内検索ボックスのリッチスニペットとしての表示が可能になる場合があります。

活用方法としては、ウェブサイトのトップページや、サイト全体に関する情報をまとめたページに「website」のタイプをマークアップします。これにより、検索エンジンがウェブサイトの全体的な内容や構造をより正確に把握する手助けとなります。

構造化データマークアップをしたほうがよいページ

この章では、SEO担当者が実務で使える、実装対象ページごとの構造化データマークアップについて説明します。

トップページ

ウェブサイトのトップページは、多くの場合、最初にユーザーが訪れるページです。構造化データによって、このページの内容や構造を、検索エンジンに効果的に伝えることができます。

トップページで重要な構造化データの種類

  • 組織や企業の情報
    Organization ( ウェブサイトの所有者や運営者、ロゴや連絡先情報など)
  • メインコンテンツ
    WebPage または AboutPage (トップページの主要な内容やサービスの概要)
  • ナビゲーション
    SiteNavigationElement (サイト内の他の重要なページへのリンク情報)

トップページでの構造化データの効果

トップページに構造化データを適切に導入すると、以下のような効果が期待できます。

  1. 検索結果の表示が向上し、クリックスルーレートが上がる可能性があります。
  2. ユーザーにとっての信頼性や認知度が向上します。
  3. 競合他社との差別化を図ることができます。

トップページはウェブサイトの顔とも言える部分です。構造化データの適切な活用により、より多くのユーザーに適切な情報を届けることができます。

製品ページやサービスページ

製品ページやサービスページは、ウェブサイト内で特にコンバージョンに直結する部分です。構造化データの導入により、ユーザーが求める具体的な情報を明確かつ効果的に伝えることができます。

製品・サービスページで重要な構造化データの種類

  • 製品の価格、在庫情報、レビューなどの詳細情報
    Product (価格: price、在庫情報: offerCount、レビュー: AggregateRating)
  • サービスの提供地域、価格、対象者などの具体的な内容
    Service (提供地域: areaServed、価格: priceRange)
  • 製品やサービスの画像、説明文、特長などのコンテンツ情報
    ImageObject (画像), description (説明文)

製品・サービスページでの構造化データの効果

製品ページやサービスページに構造化データを適切に導入すると、以下のような効果が期待できます。

  1. 検索結果にリッチスニペットが表示され、ユーザーの注目を集めやすくなります。
  2. 正確な情報を伝えることで、購入や問い合わせのコンバージョン率が向上する可能性があります。
  3. 他の製品やサービスとの比較時、明確な情報提供が可能となり、選ばれる確率が上がります。

製品ページやサービスページは、ユーザーの購買行動に直接的な影響を及ぼす部分です。情報の明確な伝達と、ユーザー体験の向上を図るための取り組みは欠かせませんね。

ブログ記事やニュースリリース

ブログ記事やニュースリリースは、企業や組織の情報をタイムリーに伝えるための重要なコンテンツです。構造化データによって、これらの情報を検索エンジンやユーザーに効果的に伝えることができます。

ブログ・ニュースで重要な構造化データの種類

  • 通常のブログ記事やニュース内容
    Article (通常の内容を示す基本的なデータ型)
  • ブログの投稿
    BlogPosting (投稿を示すデータ型で、Articleの一部としても使用)
  • ニュース記事
    NewsArticle (特定のニュース記事やジャーナリストの情報などを付加することができるデータ型)

ブログ・ニュースでの構造化データの効果

  • 公開日や更新日、著者・監修者情報を明示的に伝えることができます。
  • 記事のカテゴリーやタグ情報を検索エンジンに伝え、関連する検索クエリにマッチしやすくなります。
  • 検索結果での目立ち度が向上し、訪問者数やページビューの増加が見込まれます。
  • タイムリーな情報伝達により、ユーザーの信頼度やブランドの認知度が上がります。

ブログ記事やニュースリリースは、企業や組織のメッセージをユーザーに伝える重要な手段となります。構造化データを適切に導入することで、その情報伝達力を一層強化することができます。

構造化データの作成方法と確認方法

作成)ツールやWordPressプラグインがおすすめ

構造化データはSEOの一部として重要とされていますが、手動での追加は専門知識を必要とします。幸い、いくつかのツールやWordPressプラグインを利用することで、簡単に構造化データを追加することができます。

ツールでの構造化データの作成

Googleの「構造化データマークアップ支援ツールを使えば、ウェブページを指定して簡単に構造化データを作成できます。

そのほか、非公式のツールもたくさんあるので、自分の使いやすいものを使うとよいでしょう。

なお、ツールで生成したコードをHTMLの中に記述することで、検索エンジンに読み取ってもらうことができるようになります。

WordPressプラグインを使用する方法

  • Yoast SEO
    SEO対策のプラグインとして有名ですが、構造化データの追加機能も持っています。
  • All in One Schema Rich Snippets
    複数の構造化データタイプに対応しており、簡単な操作で追加することができます。

これらのツールやプラグインを利用することで、専門知識がない方でも効果的な構造化データをウェブサイトに追加することができます。

確認)Search Consoleのテストツールを使う

構造化データをウェブサイトに追加した後、その正確性や適切性を確認することは非常に重要です。GoogleのSearch Consoleは、この確認作業に役立つツールを提供しています。

Search Consoleの構造化データテストツールの特長

  • 即時チェック
    URLを入力するだけで、そのページの構造化データが正しく記述されているかを確認できます。
  • エラーの詳細表示
    問題がある場合、その詳細と修正方法を示してくれます。
  • 視覚的な確認
    ページ上でどの部分がどの構造化データに関連しているかを視覚的に確認できます。

確認手順の基本

  1. Google Search Consoleにログインします。
  2. 左側のメニューから「構造化データ」を選択します。
  3. 「新しいテストを追加」をクリックして、確認したいURLを入力します。
  4. 結果が表示されるのを待ち、エラーや警告を確認します。
  5. 問題点があれば修正し、再度テストを行います。

このテストツールを定期的に使用することで、ウェブサイトの構造化データが常に最適な状態であることを確認できます。問題が発見された場合は、早急に対処することで、検索結果における表示や評価に悪影響を及ぼすことを避けられます。

結論:構造化データはSEOに影響を与える

構造化データが「検索エンジンの理解に役立つ」と言われていることから、無意味ではないことには多くの方が気づいていたかと思います。手軽に実装できるものなので、影響を無視せず、積極的に導入をしてみてはいかがでしょうか。

また、SEOの施策に手詰まり感を感じている方には、記事に監修者をつけることが最も有効です。(構造化データで言えば、「reviewedBy」です。)

昨今はAIによって生成されたコンテンツが増えたため、「記名の専門家(個人・法人問わず)による保証」が非常に重要視されてきています。ぜひ、構造化データとあわせて検討してみてくださいね。

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